【窒素欠乏について】
症状；
- 窒素不足によって、通常よりも早く、古い葉から黄色や茶色になり、枯死します。まず最初の段階で、葉脈は緑色のまま、その周辺の色が抜けてきます。
- 施用された窒素量が不十分だった場合、枯凋が早まってしまいます。
- 窒素不足が深刻な場合は、成長が遅く、茎葉の伸長も遅くなります。葉が大きくならず、茎もまっすぐ立ったままになります。（普通はしなる）
植付け前に出来る対策；
- 土壌分析を行い熱水抽出窒素量を確認して、産地基準に対して過不足が無いように窒素量を設計する 。
- 土壌分析をしてない場合は、過去実績を加味して窒素量の増減を検討する 。
＊馬鈴薯の初期生育には最小限必要なスタータ窒素量は、2～3kg/10aです。
生育中の対策；
- 窒素分の葉面散布が良いでしょう。（トヨシロに限定した場合、葉面散布が効果的なのは、窒素欠乏の症状がまだあまり進んでいない段階までです。）
- 耕盤層がある圃場で収量UPを望むのであれば、さらに多くの窒素分が必要となります。
注意点；
葉面散布を過剰に行なうと茎長が伸びすぎ、倒伏する恐れがあります。（品種によっては倒伏して軟腐病になり収量が落ちる可能性があります）実施する際は、圃場の生育状況を確認してから行なうようにしてください。
（寒い環境や浸水状態の場合は、一時的に窒素不足が発生する場合があります。 ）
【葉面散布をする場合、代表的な資材】
尿素、硝酸カルシウム
（＊高濃度だと葉が焼ける危険性があるので散布時濃度1％を上限とする）